本学の長岡朋人教授が、「公益財団法人青森学術文化振興財団」主催の懸賞論文事業で、論文「縄文の世界?世界の縄文ー青森県における縄文研究拠点形成と情報発信の考察ー」を発表し、奨励賞を受賞しました。
同財団の懸賞論文事業は、地域の発展を図るための経済?社会?文化分野に関する論文を、広く青森県内から募集するものです。
《 長岡朋人教授のコメント》
このたびは栄誉ある賞を賜りまして、本賞の選考委員の先生方、青森学術文化振興財団のご担当者様、関係者各位に深く御礼を申し上げます。私の専門性を生かした地域貢献が評価され、栄誉ある賞を頂けることを光栄です。今回執筆した論文は、青森県が有する文化遺産の価値を高めるための課題と手法を論じたものです。青森において世界のトップレベルの人類学?考古学の研究の拠点を作ること、次に、先進的研究をもとにした理解増進活動を活発にしていくこと、この両輪が欠かせません。縄文の持つ価値は私たちが思っているよりもはるかに価値があります。一方で、学術論文が少ない問題があり、青森の縄文遺跡は世界の考古学者を満足させられるようなものなのかというと不十分です。先進的研究がなければ価値は分かりません。今後の課題としては、青森の縄文の学術調査やこれまで発掘された資料の分析を進めるということ、研究成果を論文として世界に出していくこと、その成果を市民に還元していくこと、最後に、縄文だけではなく、私たちが価値に気づいていない昔からある伝統や文化の価値を知ることが大事です。人々が長年培ってきた文化や伝承は継続することによって世界に誇るものになります。そして、その地域に根ざして暮らす私たちのアイデンティティの形成の根拠になります。今後、皆様のお力添えや地域の人々の理解の上で、地域の文化財の価値を高めていくきっかけになれば幸いです。まことにありがとうございました。
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